「すきっ歯ってかわいいの?」「海外では幸運とされるって本当?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
実はすきっ歯は、笑顔を無邪気に見せ、親しみやすさを与えることから「かわいい」といわれることもあります。さらに海外では「幸運を呼ぶ」とされ、チャームポイントとして生かす芸能人やモデルもいます。
「でも、すきっ歯は恥ずかしい」「すきっ歯を治したい」と考える方もたくさんいます。
そこで今回は、すきっ歯がかわいいとされる理由や特徴、原因やデメリット、改善方法まで解説。歯列矯正を検討している方はぜひ参考にしてください。
すきっ歯が「かわいい」といわれる理由
すきっ歯は、一般的にはコンプレックスとして捉えられることもありますが、人によっては「かわいい」と好意的に受け止められることがあります。笑顔を引き立てたり、独特の雰囲気を演出できたりするため、チャームポイントとして評価されるケースもあるのです。
ここでは、すきっ歯がかわいいとされる理由を解説します。
無邪気で親しみやすい印象を与える
前歯に隙間があると、どこかあどけなさや幼さを感じさせるため、無邪気で親しみやすい印象を持たれることがあります。完璧に整った歯並びよりも自然体に見えることで、「かわいい」と思われやすいのです。
笑顔のチャームポイントになることもある
笑ったときに見えるすきっ歯は、個性や特徴として人の記憶に残りやすく、チャームポイントになる場合があります。特に芸能人やモデルの中には、あえて矯正をせず、そのままのすきっ歯を生かして魅力を引き出している人もいます。
海外では「幸運を呼ぶ」とされることも
日本ではすきっ歯を気にする人も少なくありませんが、海外では「ラッキートゥース(幸運の歯)」と呼ばれ、ポジティブに受け止められることがあります。
特にフランスでは、前歯のすき間を「dents de bonheur(幸運の歯)」と呼び、チャームポイントとみなす文化があります。アメリカでも個性や自然さを重視する風潮から、すきっ歯をそのまま生かす人もいます。ただし、こうした価値観は地域や世代によって異なります。
このように文化の違いによって印象が変わる点も、すきっ歯が「かわいい」とされる理由の一つです。
すきっ歯の女性芸能人・有名人
芸能界にもすきっ歯が特徴的な女性有名人は少なくありません。
例えば、海外では歌手のマドンナさんや女優のヴァネッサ・パラディさんなど、すきっ歯を個性として魅力に変えている著名人がいます。日本でも、すきっ歯をそのまま残して笑顔のチャームポイントとしているタレントやモデルが存在します。こうした著名人の影響もあり、「すきっ歯=かわいい」というイメージがあるのかもしれません。
すきっ歯の種類や特徴
すきっ歯といっても、実はさまざまな種類があります。ここでは代表的なすきっ歯の種類と特徴を紹介します。
前歯のすきっ歯(正中離開)
前歯の中央に隙間がある状態を「正中離開(せいちゅうりかい)」と呼びます。すきっ歯の中でも、もっとも目立ちやすいタイプです。
正中離開のすきっ歯は、笑ったときにすぐに分かるため、チャームポイントとされることもあれば、コンプレックスに感じる人も少なくありません。原因としては歯の大きさとあごのバランス、歯の萌出時の位置異常、上唇の小帯(しょうたい)が大きいことなどが挙げられます。
奥歯のほうに見られるすきっ歯
実は、奥歯の間に隙間ができるタイプもあります。
奥歯のすきっ歯は前歯に比べて目立ちにくいですが、食べ物が詰まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、かみ合わせに関わる部位に隙間があると、咀嚼効率が低下しやすいのも特徴です。
見た目の影響は少ないものの、口腔内の健康面では注意が必要なタイプといえます。
隙間が広いケースと軽度のケース
すきっ歯は、隙間の大きさによって見た目や影響が変わります。
隙間が広いケースでは、口を閉じても歯の間がはっきり見えるため、笑顔の印象が大きく変わってしまいます。また、発音が不明瞭になったり、息漏れがしやすくなったりすることもあります。
一方で、軽度のすきっ歯は一見すると個性やチャームポイントに見えることもあります。しかし、そのまま放置すると食べ物が詰まりやすくなり、虫歯や歯周病の原因になることもあるため、見た目だけでなく健康面でも注意が必要です。
すきっ歯になる原因
すきっ歯は、いくつかの原因が組み合わさって起こります。遺伝的な要因や生活習慣による影響のほか、歯茎や骨の状態の変化なども関係しています。ここでは、すきっ歯になる代表的な原因について見ていきましょう。
遺伝や歯の大きさ・あごの骨格の影響
歯の大きさとあごの骨格のバランスは、歯並びに大きく影響します。
骨格や歯のサイズは遺伝することが多いため、親から子へ受け継がれるケースも少なくありません。例えば、歯が小さくあごの骨が大きいという特徴が遺伝した場合、歯と歯の間に隙間ができやすく、すきっ歯につながります。
指しゃぶりや舌癖などの生活習慣
癖や生活習慣が原因ですきっ歯になることもあります。
例えば、指しゃぶりや舌で前歯を押す癖(舌癖)は、歯に持続的な力を加えるため、前歯が押し広げられてすきっ歯を引き起こすことがあります。特に成長期の子どもはそうした癖や習慣の影響を受けやすく、長期間続くと歯並び全体に不正が生じることもあります。
歯周病や加齢による歯茎の変化
歯周病が進行すると歯を支える骨や歯茎が下がり、歯の間に隙間が生じやすくなります。加齢によっても歯茎は少しずつ痩せていくため、若い頃にはなかった隙間が目立つようになることがあります。
例えば、中高年以降で突然すきっ歯になった場合は、歯周病の可能性があるため注意が必要です。
乳歯から永久歯に生え変わる時期の一時的なもの
子どもの歯並びでは、乳歯から永久歯に生え変わる過程で一時的にすきっ歯になることがあります。これは「発育空隙(はついくくうげき)」と呼ばれる自然な現象で、永久歯が正しく並ぶためのスペースを確保する役割があります。そのため、この時期のすきっ歯は成長とともに改善されることが多く、心配しすぎる必要はありません。
すきっ歯の「かわいくない」デメリット
すきっ歯は「かわいい」「チャームポイント」として受け入れられることもあります。しかし、放置すると機能面や健康面で不利になる可能性があるものです。ここでは、すきっ歯によって生じやすい、かわいくないデメリットを紹介します。
かみ合わせが悪くなりやすい
歯の間に隙間があると、上下の歯が正しくかみ合わず、かみ合わせのバランスが崩れることがあります。
かみ合わせが乱れていると咀嚼効率が低下し、食べ物をしっかりかみにくくなります。さらに長期的には顎関節に負担がかかり、頭痛や肩こりなど全身の不調につながる可能性もあります。
発音や滑舌に影響することがある
発音・滑舌が悪くなりやすいことは、すきっ歯のデメリットです。
前歯に隙間があると、サ行やタ行などの発音時に空気が漏れやすく、「ス」「ツ」「シ」などが発音しにくくなる場合があります。特に前歯の正中離開では、発音に影響することが報告されています。
また、会話や人前での発表などで聞き取りづらさが生じると、心理的な負担になることも少なくありません。
虫歯や歯周病のリスクが高まる
すきっ歯のデメリットとして、虫歯・歯周病リスクが高まることも挙げられます。
歯と歯の間に隙間があると、食べかすが詰まりやすく、清掃性が悪くなる場合があります。その結果、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
また、咀嚼時の歯茎への刺激が不均一になるため、炎症や腫れを起こしやすいのもデメリットといえます。
見た目にコンプレックスを抱きやすい
すきっ歯により、見た目にコンプレックスを抱きやすいことも忘れてはいけません。
すきっ歯は一部では「かわいい」とされます。しかし、日本では整った歯並びが美しいと考えられることが多く、見た目にコンプレックスを抱く人がたくさんいます。
「人前で笑えない」「口元を見せたくない」と考え、対人関係や仕事の場面において自信を持てなくなる要因にもなります。
すきっ歯を改善してさらにかわいくなれる矯正方法

すきっ歯は、そのままでも「かわいい」と評価されることもあるかもしれません。しかし、それがコンプレックスなのであれば、歯列矯正で改善して「より美しく・よりかわいく」なれたほうが満足できるのではないでしょうか。
ここでは、代表的なすきっ歯の改善方法を紹介します。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、ブラケットとワイヤーを使って歯に力を加え、少しずつ歯列を整えていく方法です。
ワイヤー矯正は、歯列矯正の中でもスタンダードな方法で、すきっ歯だけでなく、全体的な歯並びの乱れやかみ合わせの改善も行えます。また、幅広い症例に対応できるため、前歯の隙間以外にも不正咬合がある場合に適しています。
ただし、装置が目立ちやすいデメリットもあり、審美性を重視する人には裏側矯正やホワイトワイヤーを用いるケースもあります。
マウスピース矯正
マウスピース型の装置により歯並びを整える方法です。
マウスピース矯正は、透明なマウスピースを用いるため、装置がほとんど目立たない点が大きなメリットです。食事や歯磨きの際に取り外しが可能で、衛生的に管理しやすいのも魅力といえます。
すきっ歯のような比較的軽度の症例には適しており、芸能人や接客業の方にも選ばれやすい方法です。ただし、長時間装着を続けられないと十分な効果が得られないため、自己管理が重要になります。
部分矯正
部分矯正は、前歯など限られた範囲だけを対象に行う矯正方法です。
すきっ歯が軽度で前歯の数本だけに問題がある場合に有効で、治療期間も比較的短く済むことが多いです。費用も全体矯正に比べて抑えやすいため、「すきっ歯だけを整えたい」という方に向いています。
ただし、奥歯のかみ合わせに問題がある場合は対応できないため、歯科医師に相談してみましょう。
補綴による改善
矯正治療ではなく、歯の表面を削って薄いセラミックを貼る「ラミネートベニア」や、セラミックのかぶせ物で形を整える方法もあります。
比較的短期間で歯の隙間を改善でき、見た目を大きく変えたい人に選ばれやすい治療法です。
ただし、ラミネートベニアやクラウンなどの補綴治療では、歯を一部削る必要があります。削る範囲や厚みによっては、将来的に再治療が必要になることもあります。そのため、審美性と歯の保存性のバランスを歯科医師とよく相談することが大切です。
あくまで「審美的な改善」を目的とする方法であり、根本的に歯を動かす矯正歯科治療とは異なる点も理解しておきましょう。
自力で治すのが難しい理由
すきっ歯を自力で治すのは基本的に不可能です。すきっ歯を安全かつ確実に改善するには、歯科的な管理が必要です。指で押す、市販の矯正器具を使うなどの方法は、歯や歯茎に過度な負担をかけ、かえって歯並びを悪化させるリスクがあります。
すきっ歯を改善したい場合は自己判断での矯正は避け、必ず歯科医院に相談しましょう。
まとめ
今回は、すきっ歯が「かわいい」といわれる理由から、実際のデメリットや改善方法まで解説しました。
すきっ歯は無邪気で親しみやすい印象があったり、海外では幸運の象徴とされることもあったりして、「かわいい」といわれることがあります。その一方で、すきっ歯にはかみ合わせの不調や発音への影響、虫歯や歯周病のリスク、見た目のコンプレックスにつながる問題点もあるので注意が必要です。
すきっ歯をチャームポイントとして生かすのも、一つの選択といえるかもしれません。しかし、気になる方は早めに歯科医院に相談してみましょう。すきっ歯の改善方法には、ワイヤー矯正やマウスピース矯正、部分矯正のほか、ラミネートベニアやセラミックを用いた補綴治療があります。歯科医師から説明を受け、ご自身に合った方法をお選びください。


