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歯科矯正の治療期間はどれくらいかかる?治療が早く終わる人の特徴やコツも解説!

歯科矯正の治療期間はどれくらいかかる?治療が早く終わる人の特徴やコツも解説!

「歯科矯正の治療期間ってどれくらいかかるの?」と気になっている方は多いかもしれません。

歯科矯正は見た目だけでなく、かみ合わせや口腔機能の改善にもつながる大切な治療です。そのため、治療には時間がかかり、数カ月から数年かかるケースもあります。

「なるべく早く終わらせたい」「マウスピース矯正なら短くなる?」「保定期間って何?」といった疑問や不安を持つ方も多いのではないでしょうか。

今回は、歯科矯正の治療範囲や方法による平均的な期間の目安、保定(リテーナー)に必要な期間、治療が長引く原因や早く終わる人の特徴・生活のコツまで、分かりやすく解説します。歯科矯正を検討中の方は、ぜひ期間の参考にしてください。

歯科矯正の期間は何によって決まる?

歯科矯正にかかる期間は「平均2~3年程度」といわれますが、実際には人によって大きく異なります。その理由は、治療にかかる時間を左右する要因が複数あるからです。

代表的な要因としては、次の5つが挙げられます。

治療範囲

部分矯正なのか、全体矯正なのかで治療期間は大きく変わります。

・部分矯正:前歯など一部の歯だけを動かす治療。治療範囲が限られているため、数カ月~1年半程度で終えられることが多い

・全体矯正:上下の歯列全体を動かし、かみ合わせまで改善する治療。平均して2~3年ほどかかるのが一般的

両者で治療期間に差が出るのは、動かす歯の本数や距離の違いによるものです。部分矯正は限られた範囲を整えるため比較的短期間で済みますが、全体矯正は歯並び全体のバランスやかみ合わせの調整が必要になるため、治療に時間がかかります。

歯並びの状態

歯科矯正の治療期間は、歯並びの状態=症例の難易度によって大きく異なります。

・軽度の症例:軽いすきっ歯やわずかな歯の傾きなどであれば、歯の移動量が少ないため、比較的短期間で整えられる

・重度の症例:叢生(歯のデコボコ)が強い場合や、出っ歯・受け口など骨格に関わる不正咬合は、歯の移動距離が大きくなる上、かみ合わせの調整も必要となるため、年単位かかることがほとんど

このように、歯並びの乱れが軽度か重度かによって、歯をどの程度動かす必要があるのか、骨格の改善が必要かどうかが変わります。そのため、歯並びの状態は、歯科矯正の治療期間に大きな影響を与えるわけです。

治療方法

選ぶ治療方法によっても歯科矯正の治療期間は変わります。

・ワイヤー矯正:表側や裏側に装置をつけ、重度の症例まで幅広く対応できる。ただし重度の症例では歯の移動量が大きくなるため、期間はやや長めになりやすい

・マウスピース矯正:透明の目立たないマウスピース装置を用いる歯科矯正方法。軽度~中等度の症例に向いている。対応できる症例が限られるため、ワイヤー矯正と比べると短期間で治療が完了するケースも少なくない

このように、それぞれの装置は得意とする症例が異なります。治療期間を重視する場合は「自分の症例に合った装置」を選ぶことが重要です。

年齢

実は、年齢も歯科矯正の治療期間に大きく影響します。矯正によって歯が動くのは「骨代謝(骨の吸収と再生)」が関係しています。この骨の代謝のスピードは年齢によって異なるため、歯科矯正の治療期間は年齢の影響を受けやすいのです。

・子ども:成長期で骨代謝が非常に活発。顎の成長も利用できるため、歯が効率的に動き、短期間で治療が終わる傾向がある

・若年層(10代~20代):骨代謝がまだ活発で歯が動きやすい。治療期間も比較的短めで済むケースが多い

・中高年(30代以降):骨の成長が完了し、代謝のスピードも緩やかになるため、歯の移動に時間がかかることがある

もちろん歯科矯正は、治療期間に差が出るものの、子どもや若年層だけでなく、中高年であっても問題なく行えるのでご安心ください。また、小児矯正を行うことで、将来的に抜歯など大掛かりな矯正歯科治療をしないで済む可能性が高まります。

患者自身の協力度

歯科矯正をスムーズに進めるためには、患者自身の協力が欠かせません。特にマウスピース矯正は自己管理の影響が大きく、装着時間を守れなければ予定どおりに歯が動きません。その結果、治療期間が延びてしまいます。

・マウスピース矯正では、1日20~22時間以上の装着が必須。装着時間を守らないと治療が長引く

・ワイヤー矯正・マウスピース矯正ともに、かみ合わせ改善のため「顎間ゴム」を指示どおりに使用することが重要

・定期的な通院を欠かさないこと、装置や口腔内を清潔に保つことも、治療の順調な進行につながる

このように、矯正装置の効果や歯科医師の技術だけでなく、患者自身の協力が治療期間を左右する大きな要因となります。

歯科矯正の範囲ごとの平均期間

歯科矯正にかかる期間は、治療の範囲によって大きく異なります。前歯だけを整える「部分矯正」なのか、歯全体のかみ合わせまで改善する「全体矯正」なのかで、治療のゴールや必要なステップが変わるからです。それぞれの特徴を理解しておくと、自分に合った治療方法を検討しやすくなります。

部分矯正の目安(3カ月~1年半程度)

部分矯正は、前歯など限られた範囲だけを動かす歯科矯正方法です。主に「前歯のデコボコを整えたい」「すきっ歯を治したい」といった比較的軽度の症例で行われます。動かす歯の本数や移動距離が少ないため、短期間で効果が出やすいのが特徴です。

・対象:前歯などの一部の歯のみ

・目的:見た目の改善や軽度のかみ合わせ調整

・メリット:治療期間が短く、費用も抑えやすい

・デメリット:奥歯や骨格的な不正咬合の改善には対応できない

平均的な治療期間は3カ月~1年半程度です。ごく軽度の症例であれば数カ月で終了することもあります。

全体矯正の目安(1年半~3年程度)

全体矯正は、上下のすべての歯を対象に行う歯科矯正方法です。歯並び全体を整えるだけでなく、かみ合わせや顎のバランスも改善でき、審美性・機能面の向上を両立できるのが大きな特徴です。出っ歯、受け口、重度の叢生(デコボコ)など、幅広い症例に対応できます。

・対象:上下の歯全体

・目的:見た目の改善に加え、かみ合わせや機能面の改善

・メリット:幅広い症例に対応可能で、再発のリスクも抑えやすい

・デメリット:治療期間が長く、費用も高額になりやすい

平均的な治療期間は1年半~3年程度かかります。症例の難易度や使用する装置によって変動しますので、実際の治療期間は歯科医師に確認しましょう。

歯科矯正の方法ごとの治療期間

矯正治療の期間は、選ぶ装置や治療方法によっても変わってきます。代表的なワイヤー矯正とマウスピース矯正では、対応できる症例や進め方が異なるため、期間の目安も違います。また、部分矯正においても使用する装置ごとに治療期間が変わるため、自分の症例やライフスタイルに合った方法を選ぶことが大切です。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、歯の表側または裏側にブラケットを取り付け、そこに通したワイヤーの持続的な牽引力で歯を動かしていく方法です。もっとも歴史が長く、多くの症例に対応できるため、現在でも矯正歯科治療のスタンダードとなっています。

・対応範囲が広く、重度の叢生(デコボコ)や骨格的な問題を含む症例でも治療可能

・表側矯正は比較的リーズナブルで、治療の効率も高い

・裏側矯正は目立ちにくいが、装置の装着や調整が複雑になりやすい

ワイヤー矯正は軽度~重度に対応できる歯科矯正方法です。特に中度~重度で選択されることが多いことから治療にかかる期間はやや長めで、全体矯正では2~3年程度が目安となります。部分矯正であれば半年~1年半ほどで終わるケースもありますが、症例の難易度や患者さんの協力度によってはさらに時間がかかる場合もあります。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、透明なマウスピースを使って歯を少しずつ動かしていく歯科矯正方法です。装置が目立ちにくく、食事や歯磨きのときに取り外せるため、見た目や日常生活への負担が少ないのが大きな特徴です。

・装置が透明で目立ちにくい

・食事や歯磨きの際に取り外し可能で、衛生的

・装着時間(1日20~22時間)を守る必要がある

・適応範囲は軽度~中等度の症例に限られることが多い

マウスピース矯正の治療期間の目安は、全体矯正で1年半~3年程度、部分矯正では3カ月~1年半ほどです。部分矯正で選択されることが多く、短期間での改善が期待できます。その一方で、装着時間を守らないと予定より長引くリスクもあります。そのため、患者自身の自己管理が結果や治療期間に大きく影響します。

部分矯正での装置ごとの違い

近年、歯科医療の技術向上とともに「気になる部分だけを矯正したい」というニーズが高まり、部分矯正を選択される方が増えています。部分矯正は前歯など一部の歯だけを動かす治療で、短期間・低コストで改善できるのが特徴です。ただし、使用する装置によって治療期間に差が出ることがあります。

・表側部分矯正:前歯のデコボコや軽度の出っ歯などに対応。スタンダードな方法で症例数が多く安定性の高い治療だが、装置が目立つ。治療期間は6カ月~1年半程度が目安。

・裏側部分矯正:歯の裏側に装置をつけるため目立たないが、発音や違和感に慣れるまで時間がかかる。治療期間は6カ月~1年半ほど。

・マウスピース部分矯正:近年、部分矯正において多くの人に選ばれている方法。透明で目立ちにくく取り外しも可能。軽度の乱れに適しており、治療期間は3カ月~1年程度と比較的短い。

部分矯正は限られた範囲で行う分、全体矯正より短期間で効果が得られますが、かみ合わせ全体の改善は難しいケースもあります。そのため、仕上がりの希望に応じて装置選びを行うことが重要です。

歯科矯正の保定期間(リテーナー期間)はどれくらい?

保定期間とは、矯正歯科治療で歯並びが整った後の歯を後戻りさせないために行うものです。歯科矯正の治療期間終了後は、一定期間リテーナー(保定装置)を装着して歯の位置を安定させる必要があります。

ここでは、治療期間後の保定期間はどれくらいかかるのかについて解説します。

保定期間の目安

保定期間は、動かした歯や症例の難易度によって変わります。一般的には「歯を動かした期間と同じくらいの年数」、具体的には「1年半~3年程度」が目安です。

また、以下のような傾向があります。

・動かした歯の本数や範囲が広い場合は、安定するまで時間がかかるため保定も長めになりやすい

・子どもや若年者は骨の代謝が活発なため歯が早く安定しやすいが、顎の成長による後戻りのリスクもあるため、必ずしも保定期間を短縮できるとは限らない

・成人や中高年は骨の代謝が緩やかになっているため、安定までに時間がかかり、長めの保定が必要な傾向がある

このように、保定期間は「年齢」や「症例の範囲」によって左右されることがあります。

リテーナーの種類による差

リテーナーには大きく分けて「取り外し式」と「固定式」の2種類があります。装着時間や装着感・使用感などの違いはあるものの、保定期間はどちらも基本的には変わりません。

・取り外し式リテーナー(マウスピース型、プレート型など)

自分で着脱できるためブラッシングしやすく、衛生的に使いやすいのが特徴です。ただし装着時間を守らないと効果が不十分になり、後戻りのリスクが高まります。基本的には矯正終了直後は1日20時間程度の装着が必要で、安定してきたら就寝時のみへ移行していくのが一般的です。

・固定式リテーナー(ワイヤーを歯の裏側に接着するタイプ)

装置を外せないため、常に歯を安定させられるのが利点です。特に下の前歯など動きやすい部分に用いられることが多く、装着忘れによる後戻りを防げます。一方で、ブラッシングしにくいため、虫歯や歯周病のリスクに注意が必要です。

なぜ保定が必要なのか?

歯科矯正で歯を動かした直後は、周囲の骨や歯茎、歯を支える組織がまだ安定していません。このため、装置を外したばかりの歯は「元の位置に戻ろうとする力(後戻り)」が強く働きます。

また、歯並びは日常生活の中で少しずつ変化し続ける性質があるため、矯正歯科治療が終わっても油断はできません。特に成長期の子どもは顎の成長によって歯並びが変化しやすく、大人でも加齢やかみ癖などが影響して歯が動いてしまうことがあります。

そのため、矯正後の歯を安定させる「保定期間」は非常に重要です。リテーナーをしっかり使い、整えた歯並びを長期的に維持して、美しい口元と正しいかみ合わせを守っていきましょう。

なぜ歯科矯正は長い期間がかかるのか?

「歯科矯正の治療期間が長くなるのはなぜ?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。ここでは、歯科矯正に長い期間がかかる理由を分かりやすく解説します。

歯を支える骨が動くには時間がかかる

歯を動かす仕組みから、「歯科矯正に時間がかかる理由」を見ていきましょう。

歯と骨の間には、「歯根膜」というクッションのような組織があります。この歯根膜は、力が加わると伸び縮みし、顎の骨に刺激を与えます。歯科矯正では、その体の反応を利用しているのです。

・歯が動く方向の歯根膜が縮む → その部分の骨を溶かす細胞(破骨細胞)が働き、スペースを作る

・反対側の歯根膜が伸びる → 骨を作る細胞(骨芽細胞)が働き、新しい骨ができる

このように、歯根膜に力を加えることで「骨を壊す・骨を作る」サイクルが繰り返され、歯は少しずつ移動していくのです。

例えば、骨折などをしたとき、完治までには数カ月かかります。顎の骨も、「骨を壊す・骨を作る」サイクルにはそれなりに時間がかかります。そのため、歯科矯正は一定以上の時間が必要なのです。

一度に動かせる量に限界がある

骨を溶かす細胞(破骨細胞)と骨を作る細胞(骨芽細胞)の働きにより骨の破壊・再生サイクルが行われることで歯が移動します。ただし、この働きには限界があります。具体的には、歯が動くスピードは一般的に1カ月に1mm程度と非常にゆっくりです。強い力を加えたからといって、このスピードが速くなることはありません。つまり、どんな症例であっても、短期間で一気に大きく歯を動かすことはできないのです。そのため、矯正歯科治療では治療期間が長くなります。

体への負担を抑えるため

歯科矯正の治療期間が長い理由として、患者の体の負担を抑えることも挙げられます。

お伝えしたように、歯が動くスピードは一般的に1カ月に1mm程度で、強い力を加えたとしても速まることはありません。むしろ、無理に力を加えて歯を動かそうとすると、歯茎や神経を傷つけたり、激しい痛みを起こしたりします。また、歯の根が溶ける「歯根吸収」や歯茎の退縮を引き起こす危険性も高まります。

このようなことから、歯科矯正では患者の体にダメージを与えないように「弱い力を長期間かけ続ける」方法が取られているのです。

矯正終了後も後戻りリスクがある

歯科矯正終了後は、歯を支える骨や歯茎、周囲の筋肉がまだ安定していないため、元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起こりやすい状態です。そのため、保定装置(リテーナー)を装着する期間があります。もし保定期間がないと、せっかく整えた歯並びが元に戻ってしまい、治療が無駄になってしまいます。

歯科矯正は「歯を動かす治療期間」だけではなく、「動かした歯を安定させる期間」まで含めて考えなければいけません。

歯科矯正の期間を短くするには?効果的なコツ

歯科矯正は年単位で時間がかかる治療です。しかし、患者の協力次第でスムーズに進めることができます。ここでは、歯科矯正の治療期間を短縮するために意識すべきポイントを解説します。

装置の装着ルールを守る

マウスピース矯正では、1日20~22時間以上の装着が必須です。装着時間を守らなければ歯は計画どおりに動かず、治療期間が延びてしまいます。ワイヤー矯正の場合も、指示されたゴムの装着などを怠ると治療が進みません。装置のルールをしっかり守ることが、治療を早く終える第一歩です。

定期通院をサボらない

歯科矯正では、歯の動きに合わせて装置を調整していく必要があります。通院を怠ると調整が遅れ、治療全体が長引く原因になります。決められたスケジュールでしっかり通院し、計画どおりに進めていきましょう。

虫歯・歯周病を防ぐ

ワイヤー矯正の場合、装置の影響で磨き残しが増えやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。もし治療中に虫歯や歯周病になれば、矯正を一時中断しなければならないこともあります。スムーズに歯科矯正を進めるためには、日々のブラッシングなどのセルフケアはもちろん、歯科医院でのクリーニングで口腔環境を清潔に保つことが大切です。

医師の指示どおりに生活習慣を整える

硬い食べ物を避ける、お子さんであれば口腔習癖(指しゃぶり・舌癖など)を改善するといった生活習慣の見直しも歯科矯正の一部といえます。これらを守らないと装置が外れたり、歯が正しく動かなくなったりして治療が長引く可能性があります。

日常生活でも歯科医師の指示を守ることが、治療期間を短縮する重要なポイントです。

歯科矯正の期間が短くなる人の特徴

歯科矯正は、症例や体質、治療への取り組み方によっては比較的早く終えられるケースもあります。ここでは、治療期間が短くなりやすい人の特徴を紹介します。

年齢が若く骨の代謝がよい

子どもや若年層は骨の代謝が活発で歯の移動がスムーズに進みやすい傾向があります。そのため、歯科矯正の治療期間が短くなる可能性があります。反対に、中高年は骨の代謝が緩やかなことが多く、同じ症例でも時間がかかるかもしれません。とはいえ、生活習慣や体質などの個人差もありますので、一概にはいえません。

症状が軽度

軽い叢生(デコボコ)や前歯の傾きなど部分的な不正咬合であれば、動かす歯の本数や範囲が少なく済むため、比較的短期間で歯科矯正が完了します。逆に重度の出っ歯や受け口など骨格に関わる症状では、どうしても治療期間が長くなります。

通院や自己管理に協力的

装置の装着時間を守り、定期通院を欠かさず、虫歯や歯周病を防ぐといった自己管理を徹底できる人は、治療がスムーズに進みやすくなります。特にマウスピース矯正では、装着時間を守れるかどうかが治療期間に直結します。

骨格が安定していて抜歯が不要なケース

歯を並べるスペースが十分にあり、抜歯をせずに治療できる場合は治療工程が少なく済みます。そのため、骨格が安定し抜歯不要であれば比較的短期間で終えることができるでしょう。反対に、抜歯が必要なケースや骨格そのものに問題がある場合は、それに応じた処置が必要になるため、歯科矯正の治療期間が延びます。

子どもの歯科矯正の期間について

子どもの歯科矯正(小児矯正)は、大人と異なり成長段階に応じて「0期・1期・2期」と分けられます。それぞれの時期によって目的や治療内容が異なるため、治療期間も変わります。ここでは、子どもの歯科矯正の期間について解説します。

0期治療(乳歯列期)

0期治療(乳歯列期)の治療期間は、数カ月から1年程度が目安です。

0期治療は、乳歯だけが生えている3~5歳ごろに行われる小児矯正です。顎の発育を妨げる要因を取り除き、成長をサポートすることが目的となります。具体的には、指しゃぶりや口呼吸、舌の癖などお口まわりの悪習癖を改善し、歯並びやかみ合わせの乱れを予防します。

つまり0期治療は、本格的に歯を動かす治療ではなく、将来の永久歯が正しく並ぶための「土台づくり」をする準備的な矯正といえます。

1期治療(混合歯列期)

1期治療(混合歯列期)の治療期間は1年から2年程度が目安です。

1期治療は、乳歯と永久歯が混ざって生えている6~12歳ごろに行われます。歯並びの乱れやかみ合わせの不具合を早期に改善し、将来的に本格矯正が必要になった際の負担を軽くすることが1期治療の大きな目的です。

この時期の子どもは、顎の骨がまだ柔らかい成長段階にあるため、矯正の効果を得やすいのが特徴です。具体的には、顎の成長をコントロールして上下のバランスを整え、永久歯が生えるためのスペースを確保します。

2期治療(永久歯列期)

2期治療(永久歯列期)の治療期間は1年半から3年程度が目安です。

2期治療は、すべての永久歯が生えそろう12歳ごろ以降に行われます。ここではワイヤー矯正やマウスピース矯正といった、大人と同じ本格的な矯正装置を用いて、歯並びとかみ合わせを細かく整えていきます。

この時期の治療は、見た目の改善だけでなく、かむ・話すといった機能の改善や、将来的な虫歯や歯周病の予防にもつながるのが特徴です。最終的に、審美性と機能性の両方を兼ね備えた理想的な歯並びを目指します。

まとめ

今回は、歯科矯正の治療期間や期間が短い人の特徴について解説しました。

歯科矯正は、歯並びの状態や年齢、治療方法、そして患者自身の協力度合いによって期間が大きく変わります。軽度な症例では数カ月~1年半程度で完了する場合もありますが、全体矯正では一般的に1年半~3年程度かかります。さらに治療後には保定期間も必要です。

矯正は歯を支える骨や歯根膜の働きを利用して歯を動かすため、一度に早く進めることはできません。安全に、そして後戻りを防ぐためにも、弱い力を少しずつかけて年単位で治療を行う必要があります。

とはいえ、治療期間をなるべく短くしたい、と思う方もいることでしょう。歯科矯正をなるべくスムーズに進めるには、装置の装着ルールを守る、定期的に通院する、虫歯や歯周病を予防するといった自己管理が欠かせません。特にマウスピース矯正では装着時間の徹底が重要です。

歯科矯正は長い期間を要するものです。しかし、納得できる治療法を選び実直に進めていけば、きれいな歯並びと正しいかみ合わせを得ることができます。満足できるあなたらしい笑顔あふれる未来を手に入れるためにも、自分の症例や生活習慣に合った治療法を選び、焦らずじっくりと歯科矯正を進めていきましょう。