「シュアスマイル」は、精度の高い3Dシミュレーションや最新技術を生かしたマウスピース矯正として注目されています。
しかし、「インビザラインなどほかの矯正と何が違うの?」「どんな症例に向いている?」「費用や期間は?」と、詳しい違いやポイントが分かりづらいという声も多いようです。また、「自己管理や装着時間は大丈夫?」「後悔しないためには?」と不安を感じている方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、シュアスマイルの特徴やメリット・デメリット、他サービスとの比較、費用や治療の流れなどを解説します。失敗しない矯正のためにも、ぜひご覧ください。
シュアスマイルとは
シュアスマイルは、アメリカ発の3Dデジタル技術を活用したマウスピース型矯正システムです。歯科医院で取得した歯型データや口腔内スキャン情報をもとに、専用ソフトウェアで理想的な歯並びをシミュレーションし、患者一人ひとりに合わせたオーダーメイドのマウスピース(アライナー)を作製します。
マウスピースは透明で目立ちにくく、取り外しが可能なため、食事や歯磨きも普段どおりに行えます。装着時の違和感や痛みも少なく、快適に治療が進められるのが特徴です。また、アタッチメント(歯の表面に付ける突起)も最小限に抑えられることが多く、見た目や快適さを重視する方にも選ばれています。
なお、シュアスマイルは本来、マウスピース矯正だけでなくワイヤー矯正にも対応可能なデジタル矯正システムです。しかし、日本国内ではマウスピース矯正が主流となっています。
シュアスマイルの特徴
シュアスマイルには、以下のような特徴があります。
精密な3D診断とシミュレーション
シュアスマイルでは、歯科医師が口腔内を3Dスキャンし、歯や顎の位置まで詳細にデータ化します。このデータをもとに専用ソフトで治療のスタートからゴールまでの歯の動きを3Dシミュレーションできるため、治療開始前に仕上がりイメージを事前に確認できます。
オーダーメイド設計による矯正装置
3Dシミュレーションの結果に基づき、患者ごとにカスタマイズされたマウスピース(アライナー)や矯正装置がオーダーメイドで作製されます。歯型にぴったり合うため、フィット感がよく、快適に治療を進められるのが特徴です。
段階的な歯の移動と効率的な治療
作成されたマウスピースを一定期間ごとに順番に交換し、歯を少しずつ目標の位置まで移動させます。デジタル技術による治療計画により、従来の矯正方法と比べて治療期間や通院回数を抑えやすい点も特徴です。
透明で目立ちにくいデザイン
マウスピースは薄く透明なので、装着していても目立ちにくく、見た目を気にせず矯正治療が続けられます。アタッチメントも最小限で済むケースが多く、審美性を重視したい方にも適しています。
取り外しができて衛生的
食事や歯磨きの際はマウスピースを外すことができ、普段どおりの生活を送りやすいのも魅力です。マウスピース本体も洗浄しやすく、清潔を保ちやすい点が評価されています。
シュアスマイルとインビザラインとの違い
シュアスマイルとマウスピース矯正のトップシェアを誇るインビザラインとの違いを比較してみましょう。
マウスピースの形状とフィット感
シュアスマイルのマウスピースは歯茎までしっかり覆う形状が特徴で、より高いフィット感と矯正力が得られます。
一方、インビザラインは歯のみを覆う設計のため、装着感が軽く着脱しやすい点が特徴です。
トリムラインの種類と矯正力
シュアスマイルは、トリムライン(マウスピースの縁のカットライン)がスカラップ型(縁が丸い)やストレート型(縁がまっすぐ)など、複数のトリムラインから選べます。特に2mmのストレートトリムラインは、歯茎まで覆うことで接触面が広がり、矯正力が高まります。
インビザラインは基本的にスカラップ型のトリムラインを採用しています。
アタッチメントの数
シュアスマイルはマウスピースが歯茎まで覆う設計のため、歯の表面に付けるアタッチメント(矯正用の突起)の数が比較的少なくて済みます。
インビザラインは形状の違いから、シュアスマイルよりもアタッチメントを多く使用する傾向があります。そのため、症例によっては見た目や着脱時の負担が増えることもあります。
治療期間と保証期間
インビザラインの最上位プランは5年の治療期限ですが、シュアスマイルの保証期間は3年となっています。
料金プランの違い
シュアスマイルは、治療期間が決まっているプランとマウスピースの枚数で料金が変わるプランがあり、料金に幅があります。インビザラインは主に治療範囲や難易度に応じて料金が設定されています。
適応症例
シュアスマイルは主に非抜歯症例に適しています。インビザラインも非抜歯症例を得意としますが、インビザラインはより幅広い症例(抜歯が必要な場合や複雑な歯並び)にも対応できるのが強みです。
シュアスマイルのメリット
シュアスマイルには以下のようなメリットがあります。
透明で目立ちにくい
シュアスマイルは透明なマウスピースを使うため、装着してもほとんど気づかれないのがメリットです。人前でも矯正治療中であることを気にせず過ごせます。
3Dシミュレーションで納得して治療を進められる
シュアスマイルは精密な治療計画を立てられるのが特徴であり、メリットです。
シュアスマイルは、治療前に3Dシミュレーションで歯の動きを可視化できます。そのため、仕上がりイメージを事前に確認でき、納得して治療を進められます。
オーダーメイドの高いフィット感
シュアスマイルは、マウスピース装置のフィット感がよいのがメリットです。
一人ひとりの歯や顎の形に合わせてカスタムメイドされるため、フィット感がよく、装着時の違和感や痛みがほとんどありません。
アタッチメントが少なめで見た目が自然
シュアスマイルでは、アタッチメントの数を最小限に抑えられます。
マウスピースの形状や設計から歯にしっかりフィットするのがシュアスマイルの特徴です。そのため、歯の表面に付けるアタッチメントの数が少なく済むことが多く、矯正中もより自然な見た目を維持しやすいです。
取り外しができて衛生的
ほかのマウスピース矯正と同様に、シュアスマイルも、取り外しできてお口や装置を衛生的に保てます。食事や歯磨きは自分でマウスピースを外して行うため、食事制限もほとんどありません。
治療期間や料金プランに幅がある
シュアスマイルでは、治療プランやマウスピースの枚数によって期間や料金を柔軟に選べます。そのため、症例や予算に合わせた治療計画を立てやすい点もメリットです。
シュアスマイルのデメリット・注意点
シュアスマイルはさまざまな特徴やメリットのある優れたマウスピース矯正です。しかし、デメリットや注意点もいくつかあります。
装着時間の自己管理が必要
装着時間の自己管理が必要な点は、やや手間に感じるかもしれません。
シュアスマイルは1日20時間以上の装着が推奨されています。食事や歯磨き、写真撮影など必要なとき以外は、基本的に装着しておきましょう。
紛失や破損のリスク
シュアスマイルなどのマウスピース矯正では、紛失・破損リスクがあります。
取り外し可能なため、うっかり紛失したり破損させたりすることは、意外と多いものです。適切に管理するようにしましょう。
重度の症例や抜歯症例には対応が難しい場合がある
シュアスマイルは主に非抜歯症例や軽度~中等度の歯列不正に向いています。複雑なかみ合わせや大きな歯の移動が必要な場合は、ほかの矯正法を検討しましょう。
装着直後の違和感や発音のしにくさ
シュアスマイルなどマウスピース矯正では、新しいマウスピースに交換した直後に違和感を覚えることがあります。とはいえ、ワイヤー矯正ほどの痛み・違和感はありません。一時的なものであることがほとんどなので、気にしすぎなくても大丈夫です。
保証期間がインビザラインより短い
インビザラインの最上位プランが5年の保証期間であるのに対し、シュアスマイルは3年の保証期間となっています。長期間の治療やフォローアップが必要な場合は注意が必要です。
シュアスマイルが向いている人・向いていない人
シュアスマイルにはさまざまなメリットやデメリットがあります。「自分に合っているかどうか知りたい」という方も多いことでしょう。ここでは、シュアスマイルが向いている人・向いていない人の特徴をご紹介します。
向いている人
・目立ちにくい矯正装置で治療したい人
・自己管理ができて、装着時間をきちんと守れる人
・できるだけアタッチメントが少ない矯正を希望する人
・治療期間を短くしたい、またはスケジュールに合わせて柔軟に計画したい人
・非抜歯や軽度~中等度の歯列不正で矯正を考えている人
シュアスマイルは、見た目の自然さや快適さ、自己管理ができる方に向いており、幅広い症例に柔軟に対応できます。
向いていない人
・装着時間の自己管理が苦手な人
・マウスピースの取り扱い(着脱・保管)が面倒な人
・重度の歯列不正や抜歯を伴う複雑な矯正が必要な人
・長期保証や5年以上の治療・フォローアップを希望する人
シュアスマイルは、重度症例や自己管理に不安がある方には向きません。
シュアスマイルの費用や治療期間の目安
シュアスマイル矯正の費用や期間は、選ぶプランや症例によって異なります。自分に合ったプランを検討するためにも、基本的な情報を押さえておきましょう。
費用の目安・相場
シュアスマイルにはコンプリートプランとセレクトプラン、2つの料金プランがあります。
コンプリートプランは、矯正期間中の3年間はマウスピースの枚数に制限がない定額制のプランです。長期にわたる全体矯正や、治療途中での追加マウスピースが必要になりそうな方におすすめです。
セレクトプランは、必要なマウスピースの枚数に応じて料金が決まるプランです。比較的軽度な症例や部分矯正の場合、費用を抑えやすいのが特徴です。
部分矯正の場合は30万円台から、全体矯正は60万~90万円程度が目安となります。実際の料金はクリニックごとに異なるため、カウンセリング時に必ず確認しましょう。
治療期間の目安
治療期間は、症例や治療プランによりますが、部分矯正であれば一般的には2カ月~1年ほどで理想の歯並びを目指せるケースが多いとされています。全体矯正の場合でも、デジタルシミュレーションを活用することで比較的短期間で治療を終えられることがあります。
自分の歯並びやライフプランに合わせて、費用や期間も含めて無理のない計画を立てましょう。
シュアスマイルの治療の流れ
シュアスマイルの治療の流れは以下のとおりです。
STEP1:初診・カウンセリング
歯科医師が歯並びやかみ合わせを診察し、シュアスマイル矯正の適応可否を判断します。治療の希望や不安な点も相談できます。
STEP2:精密検査
レントゲン撮影や口腔内写真の撮影、虫歯や歯周病の有無をチェックし、治療に必要なデータを集めます。
STEP3:口腔内の撮影と3Dシミュレーション
口腔内スキャナーなどで歯型を3Dデータ化し、専用ソフトで治療前後の歯並びをシミュレーションします。歯科医師と一緒に治療計画を分かりやすく確認できます。
STEP4:マウスピース作製・装着
3Dシミュレーションをもとに、患者専用のマウスピースをオーダーメイドで作製します。歯科医院で装着方法や取り扱いの説明を受けます。
STEP5:治療開始
マウスピースを装着して矯正歯科治療をスタートします。シュアスマイルは1日20時間以上の装着が基本で、決められたタイミングで新しいマウスピースに交換していきます。
STEP6:治療終了・保定(リテーナー)
歯並びが整ったらシュアスマイルでの矯正歯科治療は完了です。後戻り防止のため、一定期間リテーナー(保定装置)を装着します。
定期クリーニングも忘れずに
矯正中・矯正終了後も定期的に歯科医院でクリーニングを受け、虫歯や歯周病の予防、マウスピースのチェックを続けることが大切です。
シュアスマイル治療中の生活と注意点
シュアスマイルで治療をする上で、生活における注意点をご紹介します。
装着時間はしっかり守りましょう
シュアスマイルでは、1日20時間以上の装着が基本となります。食事・歯磨き以外は、できる限り装着しておきましょう。外している時間が長いと治療が予定どおり進まない場合があるのでご注意ください。
食事や飲み物の注意
食事の際は必ずマウスピースを外しましょう。そして、食後は歯磨きをしてから再装着することで、虫歯や着色の予防をしましょう。
マウスピースのケア・保管
シュアスマイルなどマウスピース矯正では、装置を外したら専用のケースに保管することを習慣づけてください。ティッシュなどにくるんで保管すると、誤って捨ててしまうことがあるので注意しましょう。また、定期的に洗浄し、清潔な状態を保つようにしてください。
定期的な通院・クリーニング
治療中は定期的な通院とクリーニングを受け、歯やマウスピースの状態を確認してもらいましょう。虫歯・歯周病などのトラブルがある場合は、早期に治療することで、矯正の進み具合への影響を最小限に抑えられます。
まとめ
今回は、シュアスマイルの特徴やほかのマウスピース矯正との違い、メリット・デメリット、費用や治療期間、治療の流れや生活上の注意点について解説しました。
シュアスマイルは、精密な3Dシミュレーション技術やオーダーメイド設計により、快適で見た目にも配慮したマウスピース矯正ができるのが大きな魅力です。優れた矯正歯科治療方法ですが、装着時間や費用、治療期間、適応できる症例などは事前に確認し、理解納得した上で契約することが大切です。
今回の記事が、シュアスマイルをはじめとしたマウスピース矯正を選ぶ際の参考になれば幸いです。